すみだ水族館 天野尚氏制作 「草原と石景」

  • 2012.06.29 Friday
  • 19:54
 
すみだ水族館 エントランス右手

天野尚氏制作 自然水景(W710×D110×H120)

「草原と石景」





配布プリントの写真(おそらく2ヶ月前の水景)



有茎草が繁茂するまでは、絶妙な配石により、石組水景として楽しめる構図になってます。


右の群落



真ん中



左側の群落




基本構図
ご覧の通り、3つの群落があり、群落それぞれが独立して水景を構成できる程の熟考された構図となっています。
それでいて、まるで三尊配石のようにそれぞれがバランスを取り合い、全体としてのレイアウトを構成しています。

重心は、左側にある事がわかると思います。
常の如く、左右対称になる事無く、重心位置は黄金比の通りとなっています。

それぞれの群落の石は、放射線状に上方へ向かいパノラマ的で横に細長過ぎる水景に上方への広がりを与えています。
有茎草の繁茂によって、石組主体のレイアウトから有茎草レイアウトへその趣を変化させていると共に、有茎草によって構成される群落それぞれの稜線はリズミカルで、見るものに心地よい印象を与えます。
これは下草の繁茂とともに現れている底面の盛り上がりと相まって、更にそれが強調されるようになっています。
植栽段階での計算と、トリミング技術による稜線の演出があってこその印象と言えるでしょう。




四隅には、左右対称的に同じ演出がなされています。

右上


左上



右下


左下



長細い水景になりますので、左右それぞれに同じ演出をする事によって、水景に調和をもたらしています。
これがそれぞれに違う演出になっていると、水槽が横に長いだけにまとまりの無い散漫な印象となってしまいます。
片方から目線が流れていき、最終の水景を最初に見る水景と同じ印象でまとめる事で、調和感を印象づける狙いです。

パノラマ水槽(特に大型のもの)で有効的な手法です。

皆さんが懸念しているのは、グロッソの維持でしょうか。


どころどころ黒ずんでいるのは、少し老化してきている部分です。
ただ、まだまだ鑑賞に堪えうる状態ですし、今後しばらくはこのままで維持できると思います。
しかし、将来的には何かしらの手段(植え替えや砂利への差し替えなど)を講じないと、たとえ水草レイアウトを知らない一般来場者といえども汚らしい印象を持つ事になるでしょう。2年後どのように変化しているのか、もしくはそのまま維持できているのか楽しみな所です。

アップで。






水族館と丁々発止でやり合っていた背景処理。

わかりにくいかもしれませんが、一応画像に納めてみました。

ザラついた乳白の透過素材を貼付けている印象です。 


おそらく後ろからライトを当てて、天野氏が思い描いていた処理に近いものになっているのだと思われます。
おかげでちょっと写真は撮りにくいです。鑑賞するには綺麗ですよ。






とにかく真ん中の群落が見応えがあって、それを背景にしてフィンスプする魚達を見ていると時を忘れます・・・実際忘れていました。気づくと、この前だけで30分経ってました。









動くジャーナルって感じですよ。





動画でどうぞ。
例によって音声に注意してください。臨場感たっぷりですので。

全体図




魚たち



すみだ水族館へ行ってちょうど1週間が経ちました。
まだ、あの時の感動は忘れていません。
おこがましくも、今回2つの水景を私の言葉で紹介しましたが、やはり実際見ていただきたいと強く思います。理屈抜きで感動しますよ。

今回はオープンに合わせた水景という事で、準備期間も侭ならないまま失敗できない、それでいて未知の水槽サイズに挑んだ天野氏の力量というのは、言うまでもなく計り知れないものではありますが、事細かに見ていくと、我々がレイアウトする時の常套手段の拡張版といった感じで構成されている点も多々あり、基本の大切さを知る事となりました。

諸般の事情で、水草の選定についてはマニアからすると消化不良の点もあったりしますが、やはり確実性を重んじた結果の事であると推察されます。
今後は調子を崩す水草や、思った程に生長しない水草などが出てくると思いますので、それらの処理に注目するとともに、この水槽の維持に慣れてきた時に施す冒険的な創造配植に期待したいと思います。


水槽下部の前に、幅20cm程の水槽台のせり出しがあります。
そこにカバンを置きやすいんですね。
おばちゃん達がそこにカバンを置いて、ゴチャゴチャとカバンの整理したり話し込んだりして、なかなか水槽の前から移動してくれません。

それとすみだラボというバックヤードを覗ける所があるのですが、混んでくると水景よりもそっちの方を見る為に人が並び始め、行列ができてしまうと、その行列でこの長〜い水景は見えなくなってしまう時があります。

この水槽を自分の目の前に何一つの邪魔者も無く眺めた時の爽快感は、何物にも代え難いものがあります。
是非、雨の日の朝一番で見に行く事をお薦めします。


次回はすみだ水族館最終回。その他の展示・・・・・ポチッとな

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コメント
こんばんは。

すばらしい解説です。

すばらしい水景。

行きたくなります。
>アルモールさん
ありがとうございます。
なかなかコメントもつかなくて、皆さん少々食傷気味かなとも思ったんですが、このようなありがたいコメントをちょうだいしまして、記事にしてよかったなと思いました。
とても素晴らしい水景なので、ぜひ足を運んでみてください。損はしないと思います。
  • JOE
  • 2012/07/01 6:12 AM
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